「笑い話 金縛り」


 何か重苦しい物を感じて目を覚ますと、俺は動けなくなっていた。
 はっきりいって俺は霊とか呪いとかいった類の物を信じていない。
 リアリストというわけじゃないがそんなのは小説の中の世界だけだろう。
 だけど俺は今、現実に金縛りにあっている。
 どんなに身体を動かそうとしてもピクリとも動かないし、声を上げようとしても全く出てこない。
 すると俺をのぞき込むように誰かの顔のような物が浮かび上がった。
 顔の主は低い声で俺に何かを語りかけてくる。
『……くれ』
 くれ? 一体何の事だ!?
 と、言おうとしてもやっぱり声はでない。
『……くれ』
 一体何が欲しいんだよ。
 すると声は出ていないはずなのに、顔は聞こえていたかのように声を返してきた。
『くれ……チェリーパイ』
 俺は思わず叫んだ。
「欧米か!」
 あ、声が出た。
 しかも俺の右手はいつの間にか動いていて、顔の主の左側頭部をはたいていた。


 気がつくと目の前には、見慣れたあいつの顔があった。
 ご丁寧に俺の体の上に乗っかった状態で。


Written by 佐倉信輔


<あとがき>
 オカルト……と見せかけて実は笑い話なSS。
 タカアンドトシのネタを元に書きあげてみました。w


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