「実力テストの悲劇」
実力テスト――それは毎学期のはじめに恒例で行われる全校一斉のテスト。
直接成績に関わる事はないが、内申にはバッチリ響く謎の多い代物。
いつもならあたふたしている間に時間が終わってしまい、惨憺たる結果に終わる実力テスト。
――とはいえ、今回の俺はちょっとばかり違う。
今回だけはちと本気で――ちなみに“本気”と書いて“マジ”と読む――勉強してきた。
その理由は――お袋との契約のため。
このテストで平均八十点取れば、あこがれのバイクの免許を取りに行かせてもらえるという契約。
バイクの免許を取って、風を切ってツーリングするのが俺の小学生の頃からの夢だった。
その夢を叶えるためなら、嫌いな勉強だってやってやるさ。
――そんなわけで高校進学一発目の実力テストに、生まれて初めて(?)本気で取り組んでいるわけで。
もちろん結果はばっちり。この分ならバイク免許への道は開けたも同然。
テストの結果が返ってくるのが楽しみだぜ。
そしていよいよテスト返却の日がやってきた。
これで――これで俺は晴れてバイクの免許が取れる!
はやる気持ちを抑えきれずに答案をのぞき込む――そして驚愕。
――〇点!? なんじゃこりゃぁぁぁぁぁっっっっっ!!
そんなはずはない! 自己採点でも八十五点はカタかったはずなのに!
そして、俺は答案を見て、その中で起きていた最悪の悲劇に気づいた。
名前書くの忘れてたああぁぁぁぁっっっっっ!!!!
――終わった。俺の夢は完全に終わった。残り四教科ぜんぶ百点満点でないと平均八十点は不可能なのだから。
ちなみに他の四教科は全て八十点を超えていた……。
<あとがき>
41年ぶりに開催された、小6・中3を対象にした学力テスト。
それとは多少違うんですが、タイムリーかな、という事でテストをネタに書いてみました。
つか、名前忘れで0点て、なにげにベタすきですな。(苦笑)