「Last Time」
向かいあい 見える君の顔
二人黙って うつむいてた
ただ時計の 針だけが
無機質に進んでいく
「離れたくないよ」 その言葉を
ただぐっと 飲み込むことしか
出来ない自分が はがゆくて
二人過ごした日は
木枯らしと共に 過ぎ去り
今はただ 別れの時を待つだけ
小さな心に 深い傷だけ残して
やがて針は 終わりの時を告げ
二人離れゆく その時が来て
何か言おうと 立ち上がるけど
結局何も言い出せなくて
君はただ 何も言わずに
でも少し 悲しげな表情(かお)して
手を引かれ 静かに去っていった
立ちつくす僕の目には
流れ落ちる涙だけが 映り
二度と帰らぬ あの日の記憶が
小さな心を ただ震わせていた
「さよなら」の言葉を 言いたくなくて
これが嘘だと 信じたくて
でもそれははかない 幻想(ゆめ)でしかなくて
泣いている 僕の頭を
大きな手がそっと 優しく撫でた
「ごめんな」 その一言が
僕の小さな心に ズキッと響いた
<あとがき>
テーマは「離婚」。
“子供の立場から見た離婚”をテーマに書いてみました。
子供の心に穿たれる傷というのは想像以上に深いもの。
決断の前に子供の心を覗いてあげてください…。