サクラ


ざわざわ賑わう受験会場。 か弱く、クシャッという音が聞こえた気がした。
―今年こそ…
そうだ。一昨年も昨年も、あと一歩のところで落ちて、落ちて。
気持ちも落ちぶれて、多分今年が最後の挑戦。
俺の希望する大学は、超名門で超人気。
周りには散々無理だと囁かれつつ、それでも俺は勉強した。
『金銭的にも、今年落ちたら次は無いぞ。頑張れ』
重荷になる親父の言葉が、ふと脳裏に蘇って消えた。
心なしか眉間に皺が寄る。
―今年落ちたら、もうアイツに会えない…
そう思っただけで、心に鉛の塊が落ちてきた。
―頑張れよ、俺…!!
脳はそう言っているのに、身体の反応はやっぱりそのままだ。
ヒラリ
鼻に何か柔らかい感触。
「え?」
桜だった。ちょっと早い開花。ピンクが綺麗すぎてちょっと羨ましくなる。
―いいな、輝けて。
ヒラリ
でも、また一枚また一枚と散って、俺の上に降ってくるそれ。
桜ヒトヒラ、舞って回って上がって散った。
「よし!!」
―今年こそ、合格するんだ。
散ってばかりじゃいられない。
一度くらい、思い切り輝いてやるよ。俺だって。


Written by アオさん


<管理人より>
 たまサーのマイペでゾロ目番を踏んだ記念にアオさんにいただいた記念SSです。
 いやあ、もう素敵すぎです。>w<
 執筆仲間としてのお付き合いのきっかけとなった作品、でもありますね。w


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