<ラッキー・ガール>


今朝の星座占いであたしは一位だった。
普段なら、あたし―天秤座―はブービー賞のあたりを中心に上がったり下がったりしている。そんなアンラッキー・ガールなのに、それが今朝は一位!
―あたしは今日、ツイている!
ニヤニヤしながら銀行の前を走りぬけた。ここを過ぎてしまえば、もう家まで五十メートルもない。
息は、これまた不思議なことにちっとも苦しくなくて、あたしは百メートル走で一位になった時のような気分に浸りつつエレベーターを呼んだ。あいにく、最上階から降りてくるらしいけれど気にしない。
その間に郵便受けを見ると、この間応募した、雑誌の応募者全員サービスが届いていた。
恐らく、この日を狙って届いた…わけないけれど。
「ただいま!」
普段は居ない母さんも、今日はちゃんと居てくれる。いつもはここでカバンから出さなきゃいけない家の鍵も、今日はお呼びじゃないのだ。
何もかもがいつもより楽しくなるのは、今日があの日だから。
「咲弥、ケーキ買っといたわよ」
台所から、母さんが言う。
「本当!?」
冷蔵庫を、扉が吹っ飛ばん勢いで開けて白い箱を見つけた。そこに描かれているイラストだけで、どこのケーキかなんて分かってしまう。
あたしが今朝、母さんに頼んだケーキ屋のものだった。多分中身は苺のタルトだろう。
「誕生日おめでとう、咲弥」
今日はあたしの誕生日。
明日からまた、天秤座は十一位かもしれない。でも。
「ありがと、母さん」
でも、今日のあたしはたしかにラッキー・ガール。


Written by アオさん


<管理人より>
 管理人の誕プレとしてアオさんよりいただきました☆
 とてもほのぼのとして、温かくなるお話だと思います。w  本当にありがとうございました。w


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