佐倉様 222キリ番お礼SS イエナイ



「いえない…」

僕は見た。
彼女を閉じ込めた白い箱が、燃え盛る炎の中へ入れられたのを。
僕は彼女を救おうとしたけれど、実際のところ炎に勝てるわけが無かった。
炎は僕の彼女を美味そうに飲み込んで、やがて表情も何もない、彼女の骨組みだけを僕に返した。
知らずに涙が溢れだし、熱くなった彼女にかかる。
―炎が彼女を持って行ったのではない。仕方が無かったんだ。
脳裏に蘇ったのは清潔な病室と、そこで僕の話を楽しそうに聞く彼女の笑顔。
どうして今、笑っていないの?笑えなくなったの?
僕がまた笑える話を持ってきたのに、彼女はもういない。
今はもう。
彼女は小さな箱の中に閉じ込められている。
―僕もいつか、必ず君の元へ行くから。
そう誓って、建物を出た。今日はやけに陽射が暖かい。
涙は乾いていくのに。
「いえないや」
彼女が死んだなんて、言えないや。
彼女を失った心の傷、癒えないや。


Written by アオさん


<管理人より>
 アオさんのサイトで222番を踏んだ記念にいただいたSSです。
 せつないけど、すごく素敵なお話です☆


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